D-Movie(No.529)

・邦題:『ブラッド・ワーク』
・原題:『BLOOD WORK』
・監督:クリント・イーストウッド
・脚本:ブライアン・ヘルゲランド
・キャスト:クリント・イーストウッド、ジェフ・ダニエルズ他
・制作:2002年/アメリカ
・ジャンル:サスペンス
・上映時間:110分
・評価:★★★


【 ストーリー 】
FBIの心理分析官テリー・マッケレイブ(クリント・イーストウッド)は、マスコミを賑わせている連続殺人犯「コード・キラー」を追跡中、突然心臓病に倒れ取り逃がしてしまう。2年後、心臓移植によって一命を取り留め、FBIを退職したマッケレイブは、船上で静かな生活を送っていた。ある日、グラシエラと名乗る女性がマッケレイブを訪ね、姉を殺したコンビニ強盗犯の捜査を依頼する。マッケレイブは”探偵じゃない”と一旦は断るが...。

【 コメント 】
俳優業だけでなく、映画の監督・製作も精力的にこなすクリント・イーストウッドが監督・製作・主演まで手がけたサスペンスドラマ。原作はマイケル・コネリーのベストセラー小説『わが心臓の痛み』。脚本を手がけたのは『L.A.コンフィデンシャル』(1997)、『ミスティック・リバー』(2003)のブライアン・ヘルゲランド。

主人公はFBIの優秀な心理分析官マッケレイブ。マスコミをにぎわしていた連続殺人犯を追い詰めるものの、操作の最中に心臓病を発症。後一歩のところで取り逃がしてしまう。心臓移植によって一命は取り留め、静かな余生を送るはずが、新たな事件に巻き込まれてしまうというストーリー。大きなどんでん返しはないものの、脚本には細かな伏線がたくさん張り巡らされていて、最初から最後まで見逃せません。もつれた糸が徐々にほつれていくような快感が味わえます。

原作では、主人公がもう少し若いようで、この時のクリント・イーストウッドではイメージと違うというイメージもあったようです。ただ、年齢にあわせて脚本も変えられているのか、年老いたマッケレイブが心臓の持病を抱えながら奔走する姿は、それはそれでどきどきします。全体的にもさすがの出来で、心臓移植という重いテーマをうまくあしらいつつ、重厚さを残したままでサスペンスとして仕上げています。
残念なのは、マッケレイブと犯人の関係性が大きな意味を持っている割に、その部分の結びつきがあまり感じられないところ。やはり主人公をもう少し若く(少なくとも犯人と同世代)して、二人の間にある種の””同性愛”ないしは、”高いIQ”など、何か決定的につながれれる要素があればよかったのではないかと思います。途中犯人がわかってしまう仕組みになっているのでなおさらです。
マッケレイブの恋愛についても、彼の恋愛感が表現されないままサブストーリーが進んでいくので、ちょっと不発。どこかクリント・イーストウッドのための映画、という感じはぬぐえないものの、見ごたえのある作品であることは間違いありません。

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