D-Movie(No.524)

・邦題:『ブラインド・ホライズン』
・原題:『BLIND HORIZON』
・監督:マイケル・ハウスマン
・脚本:ポール・ベンツ他
・キャスト:ヴァル・キルマー、ネーヴ・キャンベル、サム・シェパード他
・制作:2004年/アメリカ
・ジャンル:サスペンス
・上映時間:99分
・評価:★★


【 ストーリー 】
メキシコ国境近くニューメキシコ州の砂漠で発見された謎の男(ヴァル・キルマー)。彼は頭を撃たれており、何とか一命は取り留めるものの記憶喪失に陥っていた。保安官のジャック(サム・シェパード)は、彼を撃った犯人を探そうと調査を進めるが、やがて、婚約者だという女性が現れる。過去の記憶がフラッシュバックする男は、記憶の断片から「大統領の暗殺計画を知っている」と騒ぎ出すが、保安官も婚約者も戸惑うばかりで信じない...。

【 コメント 】
頭を撃たれて砂漠で倒れている一人の男。運良く発見され一命を取り留めるも記憶がない。何も情報がないところから始まるフラッシュバック・サスペンス。主演はヴァル・キルマー。脇を固めるのは名優サム・シェパード。監督はマイケル・ハウスマン。女優陣はネーヴ・キャンベルにエイミー・スマート。さらに大女優フェイ・ダナウェイも登場します。

主人公の男が何も情報無いところから始まるあたりはクリストファー・ノーラン監督の『メメント』(2000)を彷彿させます。そこから徐々にさかのぼってさまざまな情報が提示されてくる演出も、まあ『メメント』以後はよくある手法。
前半はフラッシュバックの映像がヒントになりつつ、結構楽しく見られたのですが、後半はそれぞれのキャラクターの行く末が読めてしまい、結末も驚くほどのどんでん返しはありませんでした。多くの登場人物が死にながら、主人公だけがなぜか生き残り、しかもヒーロー的な扱いになる、というのはこれも割りとあるパターンですが、個人的にはこれがなじみません。『トゥルー・ロマンス』(1993)なんかもそうでした(ヴァル・キルマーも出演しています)。しかもそこに中途半端に恋愛が絡んでくると、作品全体の緊張感も薄まってしまうんですよね。記憶を取り戻すプロセスで、逃げようの無い運命に引きずり込まれていくような焦燥感がもっと欲しい気がします。保安官も男の言動を真実と取るか妄想と取るか、もっとぎりぎりの葛藤があるとよかったかも。

主人公を演じるヴァル・キルマーは、ちょっと驚くほどのくたびれぶりで、それが役どころにあっていると言えばあっています。トム・クルーズ主演の大ヒット映画『トップガン』で、彼のライバル役アイスマンを演じていたヴァル・キルマーとは全然違いますが。エイミー・スマートも非常に魅力的でいいですね。サム・シェパードやちょい役とは言えフェイ・ダナウェイのような大スターが出ている割には、スケール感に乏しい出来になってしまいました。

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