D-Movie(No.895)

・邦題:『BIUTIFUL ビューティフル』
・原題:『BIUTIFUL』
・監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
・脚本:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ他
・キャスト:ハビエル・バルデム、マリセル・アルバレス他
・制作:2010年/スペイン、メキシコ
・ジャンル:ドラマ
・上映時間:148分
・評価:★★★★★


スペイン、バルセロナ。この大都会の片隅で、移民や不法滞在者を相手に、時には違法なことにも手を染めて日々の糧を得ている男、ウスバル。麻薬に溺れ荒んだ生活を送る妻と別れ、愛する2人の子どもたちを男手ひとつで懸命に育てていた。ところがある日、彼は末期ガンと診断され、余命はわずか2ヵ月と告げられる。死の恐怖にも増して、何よりも遺される子どもたちの今後が、苦しみとして重くのしかかってくるウスバル。残されたすべての時間を愛する子供たちのために生きることを決意した彼がとった行動とは...という物語。

アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督が「バベル」(2006年)に続いて世に送り出した作品。移民や不法滞在者があふれるバルセロナの街を舞台に、突然余命宣告された裏社会に生きる男が、愛する2人の子どものために残された日々を懸命に生きる姿を描いた物語。”突然の余命宣告”というありきたりのプロットが、イニャリトゥ監督のシリアスな演出とハビエル・バルデムの鬼気迫る演技で重厚な人間ドラマに仕上がっています。黒澤明監督の『生きる』(1952)へのオマージュが込められているという本作は、せつなく、出口のない内容に思えるものの、実は”生”ということについて深く掘り下げ、その意味を訴えかけてくる作品だと思います。

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