D-Movie(No.514)

・邦題:『ビッグホワイト』
・原題:『THE BIG WHITE』
・監督:マーク・マイロッド
・脚本:コリン・フリーセン
・キャスト:ロビン・ウィリアムズ、ホリー・ハンター他
・制作:2005年/アメリカ
・ジャンル:ドラマ
・上映時間:105分
・評価:★★★


【 ストーリー 】
アラスカで旅行代理店を経営するポール(ロビン・ウィリアムス)。彼には精神病に悩む妻のマーガレット(ホリー・ハンター)がいて、さらに会社は火の車状態。何とか現状を打破しようと、長年失踪している弟のレイモンド(ウディ・ハレルソン)の死亡保険をもらおうとするのだが、条件にあわず一蹴される始末。そんな折、偶然自分の会社裏の駐車場のゴミ箱に隠された死体を発見したポールはある計画を立てる...。

【 コメント 】
お下劣コメディ『アリ・G』(2002)で長編デビューしたマーク・マイロッド監督作品。精神病の妻を持ち、業績が思わしくない会社を経営する男が、ふとしたことから犯罪に手を染め、一発逆転を狙うサスペンスドラマ。人生に追い詰められた主人公ポールを演じるのは、ロビン・ウィリアムズ。その妻でヒステリックなキャラクターを演じるのがホリー・ハンター。ともにアカデミー賞の受賞歴がある演技派。保険会社の調査員にジョヴァンニ・リビシ、ポールの弟レイモンド役として、ウディ・ハレルソンと個性派の二人が脇を固めます。

アラスカの雪景色が舞台で、一風変わった誘拐劇というとアカデミー賞を受賞したコーエン兄弟の大傑作『ファーゴ』(1996)が思い浮かびます。実際、DVDのパッケージにもロビン・ウィリアムズ版『ファーゴ』という謳い文句があり、作品としての趣はちがうもののどこか似ている感じがある部分も否めません。ただ、『ファーゴ』のように、現状を打破しようと必死に生きる人間たちが織り成すドラマがどこか悲壮感を通り越してこっけいに見えてしまうマジックがなく、本作はあくまでも”おかしな”人間たちが繰り広げる”おかしな”ドラマという感じです。そういう意味ではサスペンス要素の強いコメディと言った方が正確かもしれません。実際、緊迫感や人間の持つ業の哀しさ・せつなさみたいなものを求めると肩透かしをくらいますが、そもそもコメディとしてみれば、まさに主演がロビン・ウィリアムスということもあって、結構笑えるシーンがあります。そう考えるとウディ・ハレルソンの登場シーンなど、どう考えてもコメディですし、ジョヴァンニ・リビシに至っては終始顔色が悪いのも笑わせようという狙いなのかも。
それでも、最後はやはりどこか叙情的なところに落とそうという雰囲気があるのですが、それが逆に中途半端な印象を与えてしまっているようです。監督もコメディが得意のようですし、思い切り笑える作品にしても良かった気がします。

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