【 コメント 】
『TOKYO!』(2008)、『グリーン・ホーネット』(2010)などを手がけたミシェル・ゴンドリー監督作品。怪優ジャック・ブラックが映画をリメイクして暴れまくる過激でちょっとホロッとするコメディ・ドラマ。他にも出演がラッパーのモス・デフ、ダニー・グローヴァー、ミア・ファローと個性派ぞろい。
舞台はとあるレンタル・ビデオ店“ビー・カインド・リワインド”。ジャズ・ピアニスト、ファッツ・ウォーラーが生まれた場所にあることが店長フレッチャーの誇り。でも最近は同業大手に押され、市の再開発担当者から立ち退きを迫られる始末。ある日、店長が用事で出張。後を任されたマイクは、お店を切り盛りするが、トラブルメイカーのジャックが別の事件で磁気を帯びたまま店内に侵入。賞品のレンタルビデオがすべて駄目になってしまう。しかたなくマイクとジャックは自分たちで商品の映画をリメイクすることにする...という物語。
レンタルビデオ店の商品が全部ダメに。だからそれらの映画を自分たちでリメイク、ってとんでもないドタバタに聞こえます。しかしながら、ジャック・ブラックが大真面目に取り組むとそれなりに説得力が出てくるから不思議です(笑)。『ゴーストバスターズ』や『ロボコップ』など、特撮シーンを再現するのに、よくこんな手を思いついたなと感心します。リメイクされる映画は割りと有名なアクションやコメディが多く、元ネタがわかりやすいので、そんなに映画マニアでなくてもリメイクシーンを楽しめると思います。ただ、説得力がある、と言っても、さすがにこれを本物の”映画”だと思って見る人はいないだろうという感じですので、そのあたりを割り切って楽しめる方向け、ということになるでしょうか。著作権の問題があるので、ハートフル・コメディとして決着させるには無理があると思いますが、真正面からアンチ・ハリウッド映画として作られていれば、もっと毒が乗って刺激的な作品になったのではないかと思いますが。
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