朝目覚めたクリスティーンは、ベッドに見知らぬ男性がいることに驚く。ところがその男性の説明によると、彼はクリスティーンの夫ベンで、彼女には事故の後遺症による記憶障害があり、毎朝目覚めるたびに前日までの記憶をなくしてしまうというのだった。ベンはそんなクリスティーンを献身的に支えていたのだった。そこへある日、ベンの留守中に、担当医だと名乗る男から電話がかかってくる。彼は治療の一環としてベンに内緒で毎日ビデオ日記を撮影するよう指示してきたと告げ、その隠し場所を教える。さっそくビデオを再生したクリスティーンは、記憶障害の原因が事故ではなく、何者かに襲われたためだと知る。何を信じていいか分からず混乱していくクリスティーンだったが...という物語。
S・J・ワトソンのベストセラー・ミステリー『わたしが眠りにつく前に』をニコール・キッドマン主演で映画化した作品。記憶が続かない、というシチュエーションは、映画好きならまず『メメント』(2000)が思い浮かぶと思います。比べてしまうと、サスペンスとしての要素はおとなしめ。徐々にフラッシュバックを通して記憶が戻っていくのも、どんでん返しを期待している人には興ざめ。もっといかようにも複雑に出来たのに、と。なので、これは記憶障害を通して一人の女性が生き方を見つめなおし、あらたな人生を取り戻していく物語。ニコール・キッドマンの演技を含めて、人間ドラマとしてみれば納得です。
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