“ジェーン・ドウ”とは身元不明者に対して一般的に付けられる名前のこと。ある日、検死官のトミーとその息子オースティンのもとに、そんな身元不明女性の全裸死体ジェーン・ドウが運ばれてくる。その死体は不可解な猟奇殺人事件の現場となった屋敷の地下室から発見されたものだった。さっそく検死に取りかかるトミー。外傷は見られなかったが、解剖を進めてみると次々と不可解な事実が明らかとなっていく。死因が一向に突き止められないまま、ジェーン・ドウをめぐる謎ばかりが深まっていくことに困惑を隠せないトミーとオースティンだったが...という物語。
『トロール・ハンター』(2010)が世界的に注目を集めたノルウェー人監督アンドレ・ウーヴレダルのハリウッド・デビュー作。『トロール・ハンター』も好きでしたが、これもいいですね。身元不明の死体を解剖しているうちに怪現象に見舞われていく検死官親子の運命を描いた作品。マニアックなテーマの着眼点もいいし、細部にもしっかりこだわり、恐怖を煽る演出もうまい。父親を演じている、賞レースに恵まない(?)ブライアン・コックスの魅力を引き出していると思います。サスペンスっぽい展開ですが、最終的にはホラー作品。それでも彼の演技のおかげで物語の重厚感が増していると思います。
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