2044年、太陽風の増加により荒廃した地球。人類は衰退し、人口はたった2100万人に激減。不足した労働力を補うため、大企業ROC社によってAIを搭載した人型ロボット(オートマタ)が開発され、あらゆる分野で人間のサポート役として活躍していた。ROC社では、安全を担保するために2つの制御機能を組み込んでいた。1つめは“生命体に危害を加えてはならない”、2つめは“オートマタ自ら修理・改造をしてはならない”というもの。しかしある日、何者かによって改造禁止のプロトコルが無効化されたオートマタが発見される。ROC社の保険調査員ジャック・ヴォーカンは早速調査を開始するが...という物語。
まず登場するロボット=オートマタの造形がいいですね。体型こそ人間に近いですが、全く感情を感じさせない頭部の作りがゾッとします。さらにそのオートマタが、隠れて自分を修理している冒頭の場面もインパクト抜群。AIの行き着く先+サスペンス要素という、割りとありがちな設定ながら、終末感漂う映像とあいまって楽しめます。ただ、ロボットの自殺など、映像を超える物語の深み、哲学が今ひとつ伝わってこないのが残念。ロボットと人類が築く未来について考えさせられるきっかけにはなりますが、脚本的には予想を超えるレベルではありませんでした。
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