【 コメント 】
『ウェインズ・ワールド』(1992)で大ブレイクしたコメディアンのマイク・マイヤーズが製作・脚本・主演を務めた大ヒットコメディ。
マイク・マイヤーズが演じるのは英国の超モテモテ&おちゃらけ諜報部員、オースティン・パワーズ。そしてそのパワーズの宿敵で世界征服を目論む悪の総帥ドクター・イーブルを演じるのもまた彼。1967年のロンドンを舞台に、007シリーズをはじめとする、過去の有名映画のパロディを交えつつ、マイク・マイヤーズがところせましと暴れまくる作品です。
本作の後、2作目『オースティン・パワーズ:デラックス』、3作目『オースティン・パワーズ ゴールドンバー』が作られ、いずれもヒットしました。2011年、いよいよ4作目が製作されるというニュースも。
オープニングから、1960年代のサイケデリックなファッションや音楽が満載の映像が流れ、とにかくわくわくしてしまいます。そんな期待を裏切らないのがマイク・マイヤーズのはじけた演技。ナルシストでおバカの一言に尽きるんですが、それがスタイリッシュな映像と合体すると、かっこよく感じてしまうから不思議です。
マシンガンのように繰り出されるギャグもどれも楽しいし、30年凍結されていたという設定からのカルチャー・ギャップによるギャグもよく練られています。終盤、パワーズが敵に捕らえられた後のくだりは、スパイものの映画そのものに対するパロディになっていて秀逸。何度見ても笑えます。
シリーズとしては、この後ドクター・イーブルのキャラがますます存在感を増し、全体的な下品度も加速、どんどんパワーアップしていきますが、個人的にはどれも好きなものの、やはりこの1作目が出色の出来だと思います。マイク・マイヤーズはカナダ出身のコメディアンですが、両親はともにイギリス・リバプールからの移民だそうです。彼の趣味・嗜好、そしてコメディアンとしてのセンスが爆発した傑作だと思います。もちろんサントラ盤も必携。
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