2001年のアメリカ同時多発テロをテレビで目の当たりにした青年クリス・カイルは、祖国の人々を守るために貢献したいとの思いを強くし、ネイビー・シールズで狙撃手としての過酷な訓練に励んでいく。やがてイラクに出征したクリスは、その驚異的な狙撃の精度で味方の窮地を幾度も救っていく。仲間たちから“レジェンド”と賞賛される活躍をし、無事に帰国したクリス。これでようやく、愛する妻タヤと生まれたばかりの長男と共に平穏な日常を送れるかに思われたが...という物語。
米海軍のエリート部隊“ネイビー・シールズ”の兵士としてイラク戦線で活躍した伝説の狙撃手クリス・カイルの回顧録「ネイビー・シールズ最強の狙撃手」を、クリント・イーストウッド監督が映画化した作品。アメリカでは興行成績は良かったものの、評価がまっぷたつに分かたそうです。主人公のクリス・カイルをヒーローと捉えるか、戦争の犠牲者と捉えるかの違いかもしれません。個人的には、”戦争”での経験によって壊れていく人間の姿がストレートに描かれていると思います。非常に重く、かつ哀しい物語ではありますが、イーストウッドらしさを感じられる作品だと思います。本作は同年のアカデミー賞6部門にノミネート、音響賞を受賞しました。
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