D-Movie(No.802)

・邦題:『アクト・オブ・キリング』
・原題:『THE ACT OF KILLING』
・監督:ジョシュア・オッペンハイマー
・脚本:−
・キャスト:−
・制作:2012年/デンマーク、インドネシア、ノルウェー、イギリス
・ジャンル:ドキュメンタリー
・上映時間:121分
・評価:★★★★★


1965年、時のインドネシア大統領・スカルノがスハルトのクーデターにより失脚、その後、右派勢力による「共産党員狩り」と称した大虐殺が行われ、100万人以上が殺害されたといわれている、9月30日事件を追った作品。当時、虐殺に関わった者たちを取材するために。彼らにその時の行動をカメラの前で演じさせて再現するという手法をとった異色のドキュメンタリー映画。自分たちを英雄と位置づける加害者たちは、喜々として映画作りに参加し、拷問のシーンなど率先して演じるようになり、徐々に俳優としての側面を見せ始めるが...という内容。

大虐殺の加害者たちに、事件を追体験させるという驚きの手法によって、逆にフィクションではないかと思わせるほど、生々しい”演技”が繰り広げられます。よく撮影中に死者が出なかったと思えるほど。例えその時は正義だと思ってとった”殺人”という行動も、本来人間が行うべきではない行為であり、集団心理から離れてそれに気づいたときの主人公の肉体的変化はすさまじい。一方で全く動揺していない(ように思える)加害者もいるのも事実。人間の業と心の闇の奥深さに衝撃を受ける作品です。

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