遥か銀河の彼方でエイリアンたちが地球の処遇を巡って議論を重ね、即時破壊が検討される。そして地球には最後のチャンスとして、無作為に選ばれた一人に全知全能の力が与えられ、その人物の行動を見て最終判断が下されることに。こうして知らないうちに地球の命運を託されてしまったのが、高校教師のニール。階下の美女キャサリンに叶わぬ想いを抱きながら、愛犬デニスと冴えなくもお気楽な毎日を送っていた。それがある日突然、自分の周りで次々とありえない事が起こり始める。そしてようやく自分がとんでもないパワーを手に入れたことに気づくニールがとった行動とは．．．という物語。

何らかの理由で全知全能となった男が主人公、というのは、コメディ＋ＳＦ映画ではたまにあるパターン。今回も人はいいけど、ちょっとおバカな主人公がその力を得てしまいます。大体こういう設定だと、かなりのドタバタになるのですが、監督がモンティ・パイソン一派のテリー・ジョーンズということもあってか、一筋縄ではいかない笑いが満載。リアリティは皆無ですが、結構笑える場面がありました。しかもご都合主義だらけで、万事うまく収まるのではなく、天才犬が絡むところもうまい。主演のサイモン・ペッグもいい味出しています。お下劣な描写も控えめで、主人公の優しさがにじみ出て、ほっこりできる作品です。