D-Movie(No.708)

・邦題:『388』
・原題:『388 ARLETTA AVENUE』
・監督:ランドール・コール
・脚本:ランドール・コール
・キャスト:ニック・スタール、ミア・カーシュナー他
・制作:2011年/カナダ
・ジャンル:サスペンス
・上映時間:86分
・評価:★★


【 コメント 】
『CUBE』(1997)で、全世界のサスペンス映画ファンをうならせたヴィンチェンゾ・ナタリ監督が製作総指揮を務めた不条理サスペンス。若い夫婦が何者かの悪意によって幸せな日常を破壊されていく姿を描いています。主演は『ターミネーター3』のニック・スタール。

舞台はトロントの閑静な住宅街アレッタ通り388番地。ここに二人で暮らす若い夫婦ジェームズとエイミー。ある日、ジェームズがいつものように車で出勤しようとすると、カーオーディオに身に覚えの無いCDがセットされていた。ジェームスは妻の仕業だと思い問い詰めるが、知らないという妻と口論に。翌朝、妻は置き手紙を残して姿を消してしまう。その後も妻の行方はわからず、ジェームスの身の回りには不可解な出来事が続く。頼りにならない警察を尻目にジェームズは自ら事件を解決しようとするが、一向に事態は良い方向に進まず、次第に精神的に追い込まれていく...という物語。

『CUBE』のDVDに収められていたヴィンチェンゾ・ナタリ監督の短編『ELEVATED』と同じく、犯人像も目的もわからないまま物語が進み、完結する不条理サスペンスです。さすがヴィンチェンゾ・ナタリと思わせる緊迫感や不安をあおる演出は、サスペンスとして楽しめるのですが、犯人と思われる人間の目線での映像が多いせいか、主人公の立場として、いま一つのめりこめない感じが否めません。結果的に犯人も、殺害目的もわからないような不条理劇は嫌いではありませんが、本作に関しては、もう少し全体を盛り上げるようなストーリー展開や、犯人の目的・理由なんかも膨らませることによって、作品に厚みを出せたのではないかと思います。どうせ不条理のままに終わるのであれば、犯人との追いつ追われつの場面でもっと盛り上がるとか、映像として背筋も凍るようなシーンがいくつもあるなど、山場が欲しかったと思います。雰囲気にしてもプロットにしても、面白くなる要素がいろいろ見受けられる内容だけに惜しい。

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送