ニューヨークに暮らす音楽家のソロモン・ノーサップは生まれながらの自由黒人。妻子とともに、白人を含む多くの友人に囲まれ、幸せな日々を送っていた。だがある日、2週間の興行に参加した彼は、興行主に騙され拉致された末、奴隷市場に送られてしまう。自分は自由黒人だとどれだけ必死に訴えようが、無駄な抵抗だと悟るのに時間はいらなかった。名前も人間としての尊厳も奪われ、奴隷として大農園主フォードに買われていくが、それでも農場では、その有能さを認められ、温厚なフォードに気に入られるソロモンだったが...という物語。
南北戦争前の19世紀前半に実在した黒人男性ソロモン・ノーサップの自伝をベースに映画化した作品。ニューヨークで普通の市民として自由な生活を送っていた主人公が、ある日突然何者かに誘拐され、想像を絶する奴隷生活を強いられるというストーリー。もともと奴隷ではなかった主人公が拉致されて奴隷にされてしまうという設定が衝撃的。実話ということもあり、全体的に重く深いドラマですが、その中でも人間の生きる力が鮮烈に描かれています。主人公を演じるキウェテル・イジョフォーの熱演もあり、同年のアカデミー賞でも作品賞などを受賞、その他数々の映画賞に輝きました。奴隷制度を知る上でも見るべき作品です。
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