D-Movie(No.532)

・邦題:『狼の街』
・原題:『10TH & WOLF』
・監督:ボビー・モレスコ
・脚本:アラン・スティール
・キャスト:ジェームズ・マースデン、ジョヴァンニ・リビシ他
・制作:2006年/アメリカ
・ジャンル:アクション
・上映時間:108分
・評価:★★★


【 ストーリー 】
マフィアと関係があった父親の死後、叔母の元で弟のヴィンセント、従兄弟のジョーイと共に少年時代を過ごしたトミー(ジェームズ・マースデン)。闇家業に染まらぬよう海兵隊員として出兵するが、問題を起こして収監されてしまう。そこにFBIが現れ、今では闇稼業に手を染めているジョーイとヴィンセントを見逃す代わりに、彼らと対立するマフィアを逮捕する為に潜入捜査をするよう持ちかけられる...。

【 コメント 】
2005年のアカデミー賞の3部門に輝いた『クラッシュ』(2004)の脚本をポール・ハギスと共に手がけたボビー・モレスコ監督作品。マフィアの一家に生まれ育った主人公が、さまざまなトラブルに見舞われながら、幼馴染の従兄弟と弟、それぞれとの絆を守るべく抗争の中で生き抜く様を描いたハードボイルドドラマ。

日本未公開の作品ですが、登場する俳優陣は個性的なメンバーが揃っています。まず主人公を演じるのは『X−MEN』シリーズで目からビームを発するサイクロップス役で注目されたジェームズ・マースデン。真面目すぎるところも感じられますが、キレやすい相棒の従兄弟をサポートする立場と弟に頼られる兄という役どころにはぴったり。その従兄弟ジョーイ役を演じるのがジョヴァンニ・リビシ。最近では『アバター』(2009)が記憶に新しいです。この人も演技の幅が広いですね。弟ヴィンセント役のブラッド・レンフローは『マイ・フレンド・フォーエバー』(1995)や『ゴールデンボーイ』(1998)などで注目されていましたが、残念ながら若くして他界。これが遺作となりました。他にも脇を固めるのはまずデニス・ホッパー。この人が登場するだけで画の雰囲気が変わります。そして変装したちょい役で登場するのがヴァル・キルマー。さらに元ロック・バンドのモトリー・クルーのメンバーであるトミー・リーも登場するなど、非常に面白いキャスティング。こういう隠し絵的な要素がお好きな方は楽しめると思います。ただ、ジェームズ・マースデンはちょっと華に乏しい部分は否めませんし、湾岸戦争について疑問を呈するくだりも中途半端。前述の脇役たちももっと効果的に見せることもできるかも、などと考えると、作品としてはよく出来ているとは思うものの地味な印象で、日本未公開も致し方なしといったところでしょうか。
潜入捜査というプロットはありがちなものの、全体を通して緊張感はありますしマフィアものとしてよく出来ていると思います。配役などであまり変化球を用いず、真っ向から作っても面白い作品になったと思うんですが。

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