D-Movie(No.543)

・邦題:『素敵な人生のはじめ方』
・原題:『10 ITEMS OR LESS』
・監督:ブラッド・シルバーリング
・脚本:ブラッド・シルバーリング
・キャスト:モーガン・フリーマン、パス・ベガ他
・制作:2006年/アメリカ
・ジャンル:ドラマ
・上映時間:82分
・評価:★★


【 ストーリー 】
かつて名優として知られていたが、ピークを過ぎて仕事が無くなった俳優の”彼”(モーガン・フリーマン)。久しぶりのオファーはインディペンデント映画。ちょっと頼りない監督に不安が募るものの、とりあえずスーパーの店長という役柄のために、とあるスーパーに下見に出かける。そこでスカーレットというレジ打ちの女性と出会うが、”彼”は人生に迷っている彼女が気になってしようがない ...。

【 コメント 】
『ショーシャンクの空に』(1994)や『セブン』(1995)など、知性を感じさせ脇役的存在でスターになった実力派モーガン・フリーマンが主演し、製作総指揮も兼任した作品。監督は『キャスパー』(1995)や『シティ・オブ・エンジェル』(1998)を手がけたブラッド・シルバーリング。モーガン・フリーマンと行動を共にするレジ打ちの女性スカーレットを演じるのは『スパングリッシュ 太陽の国から来たママのこと』(2004)で注目を浴びたパス・ベガ。

物語はモーガン・フリーマン演じるピークを過ぎた俳優と、インディペンデント映画の監督との車中の会話から始まります。この監督が頼りなくていい感じのとぼけ具合なので、これから楽しい映画になるだろうという予感がするオープニングです。この俳優”彼”が役作りのためにスーパーマーケットの下見に行き、そこで知り合った女性と過ごす一日を追ったストーリー。登場人物も少なく、大きな事件も起こりません。淡々と二人の言動を追ったロードムービーという趣です。
シンプルな作りもあってか、モーガン・フリーマンの台詞、パス・ベガの美しさ、カラフルな映像が非常に印象的です。ところどころコミカルなエピソードが挿入されるので、肩の力を抜いて楽しめます。ただ、ヒューマンドラマとしては、特に盛り上がる場面があるわけではなく、モーガン・フリーマン演じる俳優が、女性との出会いを通して新たな決意をしたり救済されるような過程もありません。一応、スカーレットは”彼”の助言によって新しい人生を歩み始めますが、それもまた非常に静かな変化です。作品の時間も短いので、ちょっとした小品という感じですが、この映画の面白いところは、何よりモーガン・フリーマン自身が楽しんでいる様子が伝わってくるところでしょう。彼が彼自身のために作ったと言えるかもしれません。人生の機微にあふれた小粋な台詞を楽しみながら、モーガン・フリーマンという俳優の魅力に触れることができる作品。もちろんファンの方は必見です。

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送